免許返納のタイミングは?必要な手続きや奥州市で受けられる特典も紹介
2023年10月27日
「高齢の親の運転が最近荒くなってきた気がする…」
「事故を起こしたら大変だから、もう免許を返納してもらおうかな」
高齢の親御さまが運転しているご家庭では、いつかは免許返納について話さなければなりません。他の人が何歳くらいで免許を返納しているのか、気になる方も多いでしょう。
今回は、免許返納の年齢の目安や、必要な手続きについて解説します。あわせて奥州市で受けられる免許返納の特典も紹介しますので、奥州市に高齢の親御さまがいる方は、ぜひ参考にしてください。
なお、この記事は奥州市で福祉タクシー事業や見守りサービスを行っているSOCIARAS(ソーシャラス)が解説します。
奥州市で暮らしている親御さまが、免許返納した後に使える交通手段がなくなりそうでお困りの方は、ぜひお気軽にソーシャラスまでご相談ください。
免許を返納する年齢の目安とは
アクセルとブレーキの踏み間違いなどで事故を起こす高齢者のニュースが取り上げられるたび、「免許返納」が話題になります。免許返納とは、まだ有効期限が残っている運転免許証をドライバーが自主的に返納することです。
日本では現在、「何歳になったら必ず免許を返納する」というような決まりはありません。
しかし、歳を重ねるごとに運転スキルが落ちていくのも事実であり、親の運転にヒヤリとした経験がある方も多いのではないでしょうか。
ここでは、実際に免許を返納した人のデータからみる免許返納の年齢の目安や、返納を考えるべき運転能力のチェックリストを紹介します。
免許返納に関する警察庁の統計
警察庁は「運転免許統計」で、申請による運転免許の取消件数(免許返納件数)を公表しています。
令和4年度で免許を返納した人は、70~74歳が26.9%で最多です。
続いて75~79歳が22.3%、80~84歳も22.2%と多くなっていることから、免許を返納する時期にはばらつきがあるといえます。
免許返納の目安は本人の運転能力
80歳を超えても安全に運転できる人もいれば、65歳でもヒヤリとする運転をする人もいます。
運転スキルは個人の能力によるところが大きいため、免許返納は年齢よりも本人の運転能力で判断するのがおすすめです。
以下のチェックリストにひっかかる場合は、返納を考えたほうがよいでしょう。
- 左右のウインカーを間違って出したり、ウインカーを出し忘れたりする
- 歩行者や障害物、他の車に注意が向かないことがある
- カーブをスムーズに曲がれないことがある
- 車庫入れのとき、塀や壁をこすることが増えた
- 信号や標識を無視して通行することがある
- 右左折時に、歩行者や対向車などをよく見落とすようになった など
(引用:運転が不安になってきたシニアドライバーやそのご家族へ 運転免許証の「自主返納」について考えてみませんか? | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン)
70歳以上で「高齢者講習」、75歳以上で「認知機能検査」が必要
70歳以上になると、免許の更新前に追加で「高齢者講習」を受ける必要があります。高齢者講習では2時間の座学と運転適性検査、運転講習などが行われます。
また、2017年からは75歳以上の人には「認知機能検査」が追加されました。認知機能検査では記憶力や判断力が測定され、認知症のおそれがあるかどうかが判定されます。
高齢者講習は試験ではないため、受講すれば必ず終了証明書が交付されますが、認知機能検査で認知症と判断された場合は免許の停止や取り消しの対象です。
70~74歳で免許を返納する人が最多だったことも、認知機能検査の義務化が関係しているのかもしれません。
【岩手県】免許返納するために必要な手続き
免許を返納するためには、所定の手続きが必要ですが、予約すれば近所の交番や駐在所でも可能です。
ここでは、岩手県で免許返納する場合について、手続きができる場所や必要なものを解説します。
免許返納手続きができる場所
免許の返納は、基本的に本人が運転免許センターや警察署に行って手続きします。
岩手県では、以下の施設で返納手続きができます。
- 運転免許センター(盛岡・県南・沿岸・県北)
- 自動車運転免許試験場
- 警察署(盛岡東・盛岡西・岩手・紫波・花巻・北上・奥州・一関・千厩・大船渡・遠野・宮古・岩泉・二戸)
- 交番・駐在所
交番や駐在所で行いたい場合は、事前に電話で予約しておく必要があるので注意しましょう。
免許返納手続きに必要なもの
返納の手続きに必要なものは、本人が行う場合は運転免許証のみです。各施設に用意されている書類(運転免許取消申請書)に記入し、免許証とともに提出すれば返納は完了します。
また、本人が警察署などに行けない場合は、代理人も手続き可能です。代理人が手続きをする場合は、委任状と代理人の身分を証明するものを提示する必要があります。
委任状は岩手県警察のHPでダウンロードできるため、プリントアウトし本人に記入してもらった上で、代理人が免許証とともに警察署などに提出してください。
運転経歴証明書とは
運転経歴証明書とは、免許を返納した人が申請することで交付される公的な身分証明書です。有効期限はなく、生涯使えます。
運転経歴証明書の申請は、返納した警察署などで行いますが、手数料が1,100円かかります。
運転経歴証明書を提示すると、バスやタクシーの割引などさまざまな恩恵が受けられる点がメリットです。
免許返納のメリット・デメリット
「運転に少し自信がなくなってきた」など、さまざまな理由から免許返納を検討しつつも踏み切れない方も多いかもしれません。
ここで、免許返納によるメリットとデメリットを整理してみましょう。
免許返納のメリット | 免許返納のデメリット |
---|---|
✔ 交通事故を起こすリスクがなくなる ✔ 自動車にかかる経済的負担が減る ✔ 公共交通機関などで割引が受けられる | ✔ 交通手段が減る ✔ 生活が不便になる ✔ 家に閉じこもりがちになる |
免許返納の一番のメリットは、事故を起こすリスクがなくなることです。
しかし、自家用車しか交通手段がない地域に住んでいる場合、車を運転できなくなると毎日の買い物に困るかもしれません。そのような場合は、ネットスーパーの利用など何か対策を考える必要があります。
【奥州市】免許返納で受けられる特典
公共交通機関やスーパーなどは、運転経歴証明書を提示した方にさまざまなサービスを行っています。
ここでは、奥州市内で受けられる免許返納の特典をみていきましょう。
奥州市内コミュニティバス半額
奥州市内在住で、バス降車時に運転経歴証明書を提示した方は、以下のコミュニティバスの運賃が半額になります。
- 水沢地域~Zバス(県交通胆江営業所)
- 水沢黒石地区~くろタク(市公共交通対策室)
- 江刺地域~奥州市営バス(県交通胆江営業所)
- 江刺田原地区~ほうらい号(市公共交通対策室)
- 江刺伊手地区~いで・ごー(伊手振興会)
- 江刺梁川地区~やなたっくん(梁川地区内交通の会)
- 江刺広瀬地区~やわた号(広瀬地区内交通の会)
- 江刺稲瀬地区~稲瀬ふれあい号(稲瀬の足を守る会)
- 前沢地域~ハートバス(社会福祉協議会前沢支所:前沢タクシー)
- 胆沢地域~胆沢ふれあいタクシー(市公共交通対策室)
- 衣川地域~衣川バス衣里線(衣川タクシー)、さだとう号(衣川タクシー)
ただし、このサービスは運転経歴証明書の交付年月日から3年間限定です。
タクシー料金1割引
一般社団法人岩手県タクシー協会は、乗車時または降車時に運転経歴証明書を提示した65歳以上の方のタクシー料金を1割引にするサービスを行っています。
配達料金無料
スーパーやホームセンターで購入した商品を、無料で家に届けてもらえるサービスもあります。
- イオン:お買い上げ3,000円(税込)以上ごとに1箱配達料金が無料
- ホームセンターサンデー:購入商品の配達無料券(10枚綴り)がもらえる
利用したいときは、サービスカウンターなどで運転経歴証明書を提示してください。
奥州市で受けられる免許返納者へのサービスについては、運転免許自主返納者への支援一覧(市町村)、運転免許自主返納者への支援一覧(企業・団体)のページで確認できます。
奥州市で免許返納した方の移動手段にソーシャラスの「福祉タクシー」
高齢になるにつれて、運転能力はどうしても落ちてしまうものです。免許を返納し、運転をやめることで事故を起こすリスクがなくなるため、お子さまの心配も少なくなるでしょう。
自家用車に替わる交通手段が近くにない方には、福祉タクシーの利用がおすすめです。
ソーシャラスの福祉タクシーは、乗り込みやすい福祉車両を使い、ヘルパーの付き添いも選べて、一般のタクシーより高齢者に寄り添ったサービスを提供しています。
当社も運転経歴証明書をご提示いただいた方の運賃を1割引にしておりますので、ぜひ買い物や通院にご利用ください。
親御さまが奥州市内にお住まいで、ご自身は離れて暮らしているお子さまからのご相談も歓迎です。以下のお電話、またはメールフォームからお気軽にご相談ください。