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【熱中症対策】高齢者がエアコンを付けたがらないのはなぜ?理由別の対処法を紹介

2024年5月20日

厳しい暑さの影響で、室内外問わず熱中症で体調を崩す方が増えています。総務省によると、令和5年5月〜9月に熱中症で救急搬送された方のうち、65歳以上が54.9%※を占めています。

※参考:http://fdma.go.jp

室内の熱中症を予防するためには、エアコンによる室温管理はたいへん重要です。しかし高齢者の中には、さまざまな理由でエアコンを付けたがらない方が少なくありません。

本記事では、高齢者がエアコンを付けたがらない理由や対処法について解説します。具体的にご紹介するのは下記の内容です。

  • 高齢者が熱中症になりやすい理由
  • 高齢者がエアコンを付けない理由
  • エアコンを使ってもらうための対処法
  • 効果的なエアコンの設定
  • 離れて暮らす高齢者の熱中症対策

真夏でも高齢者がエアコンを付けない理由は、電気代や冷やしすぎへの不安などが影響しています。また、加齢変化で気温上昇に気づきにくいため、定期的な声かけや見守りが熱中症予防には重要です。

本記事を読めば高齢者の熱中症リスクを理解でき、エアコンを使ってもらうためのサポートもしやすくなります。

本記事は岩手県奥州市で、福祉タクシーや生活支援サービスを提供するSOCIARAS(ソーシャラス)が解説します。

ソーシャラスでは、奥州市や金ヶ崎町(周辺の市町村も対応可能)にお住まいの方を対象に、訪問型見守りサービスを行っております。

「親御様の様子が気になるけれど、忙しくて実家に戻れない」と悩まれている方は、お気軽に下のボタンからご相談ください。

高齢者が熱中症になりやすい理由

高齢者は体内の水分量が少なく、暑さやのどの渇きを感じにくいといった特徴があります。具体的な理由は、下記のとおりです。

  • 喉の渇きを感じにくい
  • 暑さを感じにくい
  • 体温調節が難しい
  • 体内の水分量が少ない

それぞれの理由について、くわしく解説します。

喉の渇きを感じにくい

加齢とともに喉の渇きを感じにくくなることも、熱中症のリスクといえます。喉の渇きを感じないと水分補給が遅れ、脱水状態になりやすいためです。

また、トイレが近くなるのを心配して、意識的に水分摂取を控えることも影響します。定期的に水分摂取を促したり、水分量の多い野菜を取り入れたりなどの対策をおすすめします。

暑さを感じにくい

気温の変化に気づきにくくなることも、高齢者に熱中症が多い原因です。加齢によって暑さ自体を感じにくくなるため、気づかないうちに熱中症が進行してしまいます。

暑さを感じにくいがゆえに真夏に厚着のまま過ごしたり、扇風機だけで過ごしたりする行動がみられます。高齢者の場合、体感ではなく温度や湿度でエアコンを使用するか判断することが大切です。

体温調節が難しい

体温調節機能が低下することも、熱中症リスクに影響します。熱中症に関連する加齢変化は、下記のとおりです。

  • 汗をかきにくくなる
  • 身体の外に熱を逃す機能が低下している
  • 身体を動かす機会が少なくなる

高齢者は体内に熱がこもりやすいため、熱中症予防には環境調整が重要になります。

体内の水分量が少ない

もともと高齢者は体内の水分量が少ないため、熱中症になると重症化しやすいです。身体の水分量は成人の場合60%ですが、高齢者は50%に低下しています。

加えて加齢にともなう腎機能の低下により、体内に水分を保持しにくくなることも影響します。高齢者の場合、知らず知らずのうちに脱水状態になっていることも少なくありません。

なぜ高齢者はエアコンを付けたがらないのか

高齢者にエアコンを使ってもらうには、付けたがらない理由を知ることが大切です。

パナソニックによると、高齢者がエアコンを控える理由の第一位は「電気代がかかる」であり、2位は「冷えすぎるから」です。

また、高齢者は若い年齢に比べて、エアコンが身体に悪いと思っている人が多い傾向もあります。本項目では、高齢者がエアコンを付けたがらない理由と背景をくわしく解説します。

参考:高齢者におすすめしたい エアコンを使った熱中症対策 | みんなが気になる 心地よい「空気」の作り方 | Air Letter | エアコン | Panasonic

①電気代が心配

多くの高齢者がエアコンを避ける理由としてもっとも多いのが、電気代への懸念です。「なるべく節約したい」という意識から、暑くてもエアコンの使用を控えてしまう高齢者が多くいます。

昔のエアコンは今より電気使用量が多かったため、その印象が強く残っていることも影響しています。たとえ暑くても電気代が心配で、エアコンを付けっぱなしにできないという方も多いです。

②身体に悪いと思っている

若い世代に比べ、高齢者はエアコンの冷えが身体に悪いと考えている方が多い傾向にあります。昔のエアコンは温度調節がうまくいかず、冷やしすぎてしまうケースも多々ありました。

そのため過去の経験から、エアコン=冷えすぎて身体に悪いというイメージから嫌がる人も少なくないのです。また、加齢により代謝が落ちて寒がりになり、冷房を嫌がるケースもあります。

③複雑な操作が難しい

実はエアコンを付けたくないのではなく、認知機能の低下で操作ができなくなっている可能性もあります。下記の内容は、高齢者によくあるエアコン関連の困りごとです。

  • 操作方法が分からない
  • 故障しているのに気づかない
  • 誤って暖房にしてしまう

エアコンの操作方法が原因で熱中症になるケースは、認知症の高齢者に多いです。高齢者がエアコンを付けない場合、操作方法を理解しているかの確認も大切になります。

④昔から使う習慣がない

今までエアコンを使わなくても夏を乗り切れているため、今年も大丈夫と思っている高齢者もいます。「冷えすぎると体に悪い」「自然な風が一番」という、昔からの価値観が根強く残っているためです。

エアコンなしの生活が長く必要性も感じていないため、勧められても拒否してしまいます。

高齢者にエアコンを使ってもらうための対処法

高齢者がエアコンに抵抗を感じていても、熱中症から守るためには使用を促したいところです。エアコンを使いたがらない理由に合わせて、下記の対処法を活用してみてください。

①エアコンの省エネについて説明する

経済的な不安でエアコンを付けたがらない場合、省エネ機能や節約するコツを伝えると、受け入れてもらいやすくなります。エアコンの電気代や使用方法について、正しい情報を知らない高齢者は多いです。

誤った認識の代表格が、冷えたらエアコンを消し、暑くなったら付けるという使用方法です。実はエアコンは急速に冷やすときに多くの電気を消費するため、こまめなオンオフは逆効果になります。

真夏日は付けっぱなしにした方が経済的で、熱中症予防にもなると伝えて理解してもらいましょう。また、定期的にフィルターや室外機の点検・清掃を行うのも、電気代の削減に効果的です。

②加齢により熱中症リスクが高いことを説明する

加齢によって熱中症リスクが高いことを説明し、理解を得ることも大切になります。熱中症は気合や根性で乗り切れると誤解していて、危険性を認識していない場合があるためです。

しかし高齢者の中には、なかなか家族の説得を聞き入れてくれないケースがあります。健康が心配だと繰り返し伝えたり、医師やヘルパーなど第三者に話してもらったりすると効果的な場合もあります。

③高齢者に便利なエアコンの機能を活用する

自動運転や省エネ機能など、適温を維持する機能の活用も勧めてみてください。冷えすぎの心配をする高齢者に対しては、最近の機能を説明すれば不安を軽くできるためです。

便利な機能を活用するためには、使い方を教えたり家族や支援者が設定したりするとよいでしょう。古いエアコンは温度調節がしづらく電気代もかかりやすいため、買い替えの検討もおすすめします。

④昔と今では気温に差があることを伝える

昔と違って日本の夏は暑くなっており、エアコンを使わないで過ごすのは危険です。日本の平均気温は100年間で1.35℃※上昇しており、とくに1990年代は高温となる年が増加しています。

これまでエアコンなしで過ごしていた高齢者にも、昔と今の違いを知ってもらう必要があります。

※参考:https://www.google.com/url?q=https://adaptation-platform.nies.go.jp/&sa=D&source=docs&ust=1715683999254290&usg=AOvVaw0-9MX_cPhRY3kHebuV0Sms

⑤定期的な見守り・声かけ

定期的な見守り・声かけは、熱中症予防にもっとも重要です。電話やメールでは生活の実態や室温までは分からないこと、自覚なく熱中症になっているケースも多いためです。

とくに認知機能が低下していると暑さを認識し対処するのが難しくなるため、周囲の支援は欠かせません。高齢者が安全に暮らせる環境かを確認するためにも、見守り・声かけは必要といえます。

エアコンの設定温度・つけるタイミングは?

高齢者にエアコンを付けてもらう際に、どのくらいの設定にすればよいか疑問に思われることはありませんか。高齢者の場合体感で判断するのではなく、温度・湿度で判断することが重要です。

設定温度や付けるタイミングについて解説しますので、高齢者に声かけする際の参考になれば幸いです。

体感ではなく温度・湿度で判断してもらう

高齢者は暑さを感じにくいため、温度・湿度を計測し判断するのをおすすめします。あらかじめ温度を設定しておけば、エアコンが自動で調節してくれる機能があると便利です。

室温28度以上が冷房を付ける目安

エアコンを付けるタイミングは、室温28度以上が目安になります。

注意点として、エアコンの設定温度と室温は異なるものです。あくまで室温が28度になるように、設定温度を調整するようにします。

湿度が高い場合は除湿も検討

湿度が高い場合は暑く感じやすくなるため、除湿にした方が良いケースもあります。

人間が快適に過ごせる湿度は、50〜60%です。湿度が高いと体感温度は高くなりやすいため、70%を越えるようなら除湿するのをおすすめします。

1人暮らしの高齢者を熱中症から守るには?

1人暮らしの高齢者は生活状況が見えにくく、熱中症になっても発見が遅れがちです。熱中症のリスクを下げるには、見守りや声かけの強化が特に重要です。

本項目では離れて暮らすご家族におすすめの、見守り・声かけ方法を解説します。

アラームやモニタリング機能の活用

最近の見守りグッズは高性能でお手頃価格になっており、導入するご家庭が増えています。

ワットチェッカーで消費電力を確認すれば、離れていてもエアコンの使用状況を把握可能です。

あわせてカメラやセンサーも活用すれば、24時間持続して安否確認ができます。

得られる情報に限りがあることや、高齢者に拒否される可能性がある点はデメリットといえます。

見守りサービスを利用する

見守りサービスを利用すれば生活状況が見えやすく、体調不良などの変化にも気づきやすいです。見守りサービスは大きく分けると、通報型と訪問型があります。

通報型は24時間対応しており、体調不良や緊急時はボタンを押すとガードマンが駆けつけるサービスです。高齢者自身でボタンを押さなくてはならないことや、費用が高額である点はデメリットです。

一方で訪問型の場合は定期的にお住まいに伺い、安否確認や依頼されたサービスを提供します。

馴染みの担当者がエアコンや水分補給の声かけを行うので、高齢者の抵抗感も少ないメリットがあります。

また、対面で会話する機会が増えることは、1人暮らしの孤独感を和らげるのにも効果的です。

ただし訪問型は対応時間に限りがあるため、万が一の対応は遅れがちになります。

どちらのサービスも、かかる費用や人が家に入る抵抗感から、利用を渋る高齢者もいるかもしれません。拒否がある場合は短時間のお試し利用を繰り返すと、だんだん受け入れてくれるパターンが多いです。

高齢者の1人暮らしを安全に続けるためには、信頼できる業者の見守りサービスを活用するのをおすすめします。

エアコン使用の声かけで高齢者を熱中症から守る!

高齢者は加齢変化により熱中症のリスクが高いため、エアコンによる温度管理は非常に重要です。

しかし、電気代の心配や冷えすぎへの不安などの理由で、エアコンを付けたがらない高齢者も少なくありません。

まずは高齢者がエアコンを控える理由を理解したうえで、声かけし対処することが重要です。

高齢者が暑い夏を安全で快適に過ごすには、周囲の見守りサポートは欠かせないものです。遠方や多忙などでご家族による見守りが難しい場合は、見守りサービスの利用をおすすめします。

ソーシャラスでは、奥州市や金ヶ崎町(周辺の市町村も対応可能)にお住まいの方を対象に、訪問型見守りサービスを行っております。

ヘルパー資格を持ったスタッフがお宅へ訪問し、親御さまのご様子や変化をチェックし、訪問した内容はメールでくわしく報告いたします。

具体的なソーシャラスの訪問型見守りサービスの詳細は、以下のとおりです。

1回あたりの料金2,000円
1回あたりの時間30分~1時間
訪問頻度ご相談に応じてプランを作成可能
訪問エリア 奥州市内、金ヶ崎町(周辺の市町村も対応可能)

また、ソーシャラスでは10分ワンコイン(500円)の生活支援サービスも提供しています。買い物代行や掃除、資源ごみの回収、お墓の掃除など、「ちょっと困った」をサポートします。

ソーシャラスの見守り・生活支援サービスは、介護認定の有無に関わらず利用可能です。

お困りごとやご相談は、お気軽にお電話(0197-47-5606)やメールフォームからご連絡ください。