高齢者が外出することで得られる効果・メリットとは?フレイル予防にも
2023年9月2日
「免許を返納した親が、家に閉じこもりがちみたい…」
「もっと外出してほしいのだけれど、どうしたらよいのだろう」
高齢になると足腰が弱くなったり、気力が落ちてしまったりして、外出を避ける方が多くいます。
しかし、家に閉じこもり体を動かさないでいると、さらに筋力が低下するという悪循環に陥る可能性があるため、近所でもよいので外出の習慣を作っておきたいものです。
今回は、高齢者が外出する効果やメリット、高齢になると外出が減る要因、フレイルと外出の関係などを解説します。
高齢者の外出を増やすアイデアも紹介しますので、高齢の親御さまに「もっと外出してほしい」と思っている方は、ぜひご一読ください。
なお、この記事は奥州市で福祉タクシー事業を行っているSOCIARAS(ソーシャラス)が解説します。
奥州市で外出手段がなくてお困りの親御さまがいる方は、ぜひお気軽にSOCIARASまでご相談ください。
高齢者が外出することで得られる効果・メリット
高齢になると、疲れやすくなったり、歩くのが大変になったりして、外出を避けてしまう方が多くみられます。
しかし、高齢者にとって外出することには、以下のようなメリットがあります。
- 認知症・うつ病の予防になる
- 体力を維持・向上できる
- 社会との関わりができる
一つずつみていきましょう。
認知症・うつ病の予防になる
脳機能の維持には、外からの刺激で脳を活性化させることが重要です。
外出して外を歩くだけでも景色が目に入ったり、風を感じたりして五感が刺激され、脳の活性化の助けとなるでしょう。
また、家に閉じこもると会話の相手が家族に限られ、コミュニケーションの幅が狭くなってしまいます。
外出することで、散歩中に近所の人にあいさつしたり、買い物で店員さんと話したりして、他者とコミュニケーションが取れます。
新鮮なコミュニケーションは、メンタル面でのリフレッシュになり、うつ病の予防効果も期待できるでしょう。
体力を維持・向上できる
外出すると、家にいるよりも必然的によく歩くことになり、運動不足の解消につながります。
家に閉じこもると、体を動かさないため筋力が減り、結果としてさらに体を動かしにくくなる悪循環に陥るおそれがあります。
また、活動範囲が屋内に限定されると、身体機能が低下し食事や入浴などの日常生活をこなす能力も徐々に失われていくかもしれません。
まずは近所を散歩するなど、ハードルの低い外出を習慣化させ、外出回数を増やすことが重要です。
社会との関わりができる
高齢者は仕事を退職するなど、社会との関わりが薄くなったと感じる方も多くいます。
散歩中に近所の人にあいさつして顔なじみになるなど、外出すると他者とのコミュニケーションの機会が得られるでしょう。
近所の人とあいさつを交わしたり、買い物中に店員さんと話したりする程度でも、閉じこもりがちな高齢者にとっては社会とのつながりを感じ、孤独感を軽減する助けになります。
高齢になると外出頻度が減る要因
高齢になるにつれて、外出をおっくうに感じる方が増える傾向にありますが、なぜ高齢者は外出を避けるようになるのでしょうか。
主に考えられるのは、以下の3点です。
- 身体的要因
- 心理的要因
- 社会的・環境的要因
それぞれ詳しく説明します。
身体的要因
身体的要因とは、加齢に伴い身体機能が低下したために外出を避ける場合で、具体的には以下のようなケースが挙げられます。
- 足腰が弱くなった
- 疲れやすくなった
- 病気やケガで体が思うように動かない
身体機能は、体を動かさないとさらに筋力が低下し、体力が落ちたり体を動かしにくくなったりする悪循環に陥ります。
そのため、多少動きづらくとも積極的に体を動かすための外出が必要です。
心理的要因
心理的要因とは気力をなくしたり、外出に不安を感じたりなど、気持ちの面で外出したくなくなる場合です。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 親しい人を亡くすなどの出来事による喪失感や無気力感から、外出をおっくうに感じる
- 定年退職など環境の変化で生きがいをなくす
- 転倒や失禁を不安に感じる
- 外出先での行動に自信がない
ショックな出来事があり、閉じこもり状態が長く続いてしまうと、うつ病につながるおそれもあります。
周囲から「外出はリフレッシュになるよ」と根気強く声かけすることも重要です。
社会的・環境的要因
社会的・環境的要因とは、自宅周辺の環境や、高齢者自身の人間関係などにより、外出に消極的になる場合です。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 自宅周辺の交通手段が充実していない
- 近所に買い物するところがない
- 一緒に出かける友人や知人が近くにいない
- 家族が心配して外出させない
郊外など外出に車が必須の環境では、免許を返納すると外出手段がなくなり、気軽に外出できなくなる方も多いです。
高齢者にバスやタクシーの利用料金を助成している自治体もあるため、免許がなくても移動できる交通手段を調べてみましょう。
高齢者の外出が減ると起こる悪影響「フレイル」とは
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の間で、病気ではありませんが、年齢を重ねるとともに、筋力や心身の活力が低下した虚弱な状態のことです。
近年のコロナ禍で外出機会が減り、高齢者のフレイル傾向が強まっているという調査報告もあります。
(参考:トピックス2 高齢者の自粛生活長期化による健康面への影響~コロナ禍での高齢者の健康二次被害(コロナフレイル)を防ぐために~|令和3年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府)
高齢者は疾病や事故により突然要介護状態に移行する場合もありますが、多くの方はフレイルの段階を経て、次第に要介護状態に移ると考えられています。
フレイルの大きな要因の一つが、筋肉の衰えです。
足の筋肉量が低下すると、歩行速度が落ちたり、疲れやすくなったりし、体全体の活動量が減少してしまいます。
体の活動量が減るとエネルギー消費量も減少するため、お腹が空きにくくなり食欲が低下します。
低栄養の状態が続くと、筋力がさらに低下する悪循環に陥るのです。
しかし、フレイルには可逆性という特性があるため、予防に取り組むことで進行を緩やかにし、健康な状態に引き戻すことができます。
フレイル予防の柱は、以下の3つです。
- 栄養
- 身体活動
- 社会参加
栄養面ではタンパク質を十分に取れるバランスのよい食事をし、水分も十分に摂取しましょう。
身体活動と社会参加は、外出することで体を動かしたり、他者とコミュニケーションを取ったりする効果が期待できます。
外出はフレイル予防の観点でも、重要な活動といえます。
高齢者の外出を増やすアイデア
高齢者の外出の重要性を解説しましたが、外出したがらない親御さまを説得するのは大変なことでしょう。
ここでは、高齢者が外出したくなるようなアイデアを紹介します。
用事や目的を作る
高齢者の外出目的は、以下のものが多いという調査結果があります。
- 日用品の買い物
- 日用品以外の買い物
- 食事・社交・娯楽
- 通院
(参考:国土交通省「高齢者の生活・外出特性について」)
日常的な用事だけでなく、季節の花を見に行ったり、展覧会に行ったりなど、たまには特別な外出目的を作ってみるのもよいでしょう。
また、フレイル予防には栄養面も重要であることから、友人や家族と食事に出かける約束をすると、栄養もしっかり取れて一石二鳥です。
外出の不安を解消する
親御さまがなぜ外出したがらないのかを聞いてみて、解決できる問題であれば解消に取り組みましょう。
「転倒してしまいそうで怖い」という気持ちがあるなら、歩きやすい靴に履き替えたり、バリアフリーが整っている施設を選んだりなどの解決策があります。
福祉タクシーなどでは、外出にヘルパーが付き添ってくれるサービスもあるため、活用を検討してみましょう。
利用できる交通手段を把握する
免許を返納した方は、地域に利用できるコミュニティバスやタクシーがあるか調べてみましょう。
バスやタクシーは、助成制度を設けている自治体もあるため、ぜひ一度自治体のホームページを見てみてください。
SOCIARASがある奥州市では、免許を自主返納した方は市のコミュニティバス運賃が半額になる制度があります。
また、買い物や通院、冠婚葬祭など、自由な目的で利用できる福祉タクシーも便利です。
地域にどのような高齢者向け移動サービスがあるのかを把握しておくとよいでしょう。
高齢者の外出はフレイル予防に効果的!積極的な外出を
高齢者は家に閉じこもりがちになりやすいですが、外出すると心と体のリフレッシュになり、フレイル予防に効果的です。
季節の行事を計画するなど、明確な目的を作り、外出機会を増やしていきましょう。
SOCIARASは、奥州市で福祉タクシー事業を行っています。
福祉タクシーは買い物や通院に限らず、美容院やお墓参りなどさまざまなお出かけにご利用いただけます。
一人での外出が不安な方には、女性ヘルパーの付き添いサービスも提供しております。
【SOCIARASの健康サポートタクシー】
- 対応エリア:奥州市と金ヶ崎町
- 料金:10分900円
- ヘルパーの付き添いサービス:30分500円~
フレイルを防ぎ、要介護状態にならないためにも、外出は有効な手段です。
奥州市にお住まいの親御さまが、「最近家に閉じこもりがちで心配…」とお悩みの方は、ぜひお気軽にSOCIARASまでご相談ください。